第二章 庭先の影
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ヒロは、あたしの傍(わき)を駆けてすりぬけて、濡れ縁から、和室へはいってしまった。 サンダルが乱雑に脱ぎ捨てられていた。 「余計なお世話よ」 と言った、ヒロの乱暴な言葉と、アイスクリーム誘った日に、投げつけられた、 「余計なお世話だよ」 という、「お面の少年」の言葉が、あたしの耳によみがえった。 青かった空の西の方に黒い雲がわきはじめていた。遠くで雷鳴が響いた。 (第三章に続く)
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