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第三章 ヒロと「あたし」
・・・ヒロは戸籍上は、あたしの「妹」だけれど、本当は「姪」なんだ。
お父さんの妹の「子供」。。。
ヒロが、うちの籍にはいるまでは、かなり複雑な事情がある。
お父さんの妹、つまりあたしの「叔母さん」は、会社員の人と結婚していた。
でも、夫婦仲は、あまりよくなかったらしい。
旦那さん、会社のOLさんと「不倫」していたということだ。
叔母さんは、「ハライセ」みたいに、カラオケ・スナックのようなところに出入りするようになり、そこのお客さんの一人と「仲良く」なってしまった。
そして、「その人」と「駆け落ち」した。
お父さんに言わせると、叔母さんの相手は、「筋(スジ)の良くない『遊び人』のような奴」ということになる。
「そのうえ『コブ付き』だ」
ということだった。
相手の人は、いわゆるバツ一(離婚一回)で、前妻さんとの間に「男の子」が一人いたのだそうだ。
あたしは、叔母さんのお相手と、その長男という子の、二人に、会ったことはないのだけれど。。。
髪を赤く染めた「叔母さん」が、ときどき「お父さん」のところに、やってきていた。
「お金を借りるため」
というのは、子供だったあたしにも「うすうす」は察せられた。
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