第三章  ヒロと「あたし」

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 前妻さんの「長男」もいてヒロも生まれ、お叔母さんの生活は、苦しかったようだ。  ヒロの一家が借りていた、アパートが火事になったのは、去年の冬だった。  夜更だったので、酔って寝ていた叔母さんとヒロのお父さんと長男、それに同居していたヒロのお祖父さんにあたる人が焼死した。    ヒロ一人が、奇跡的に命を取り留めた。 「保険金目当ての放火?」 「失敗して自分も焼死か?」  そんな記事が週刊誌に出て、警察が家まで取り調べに来た。 ・・・叔母さんの「旦那さん」が「受け取り人名義」で、叔母さんと叔母さんの義理のお父さん・・・つまり叔母さんの旦那さんの実のお父さん(ヒロの「お祖父さん」だ)に、多額の「保険金」が、かけられていたのだ。
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