第一章  陽炎(かげろう)  

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第一章  陽炎(かげろう)  

 ヒロは、今では公園に連れて行くと。。。    あたしなんか見向きもせずに「鉄腕アトム」のお面をかぶった男の子の方へ、走っていってしまうのだ。  たった数週間なのに、 「コツコツ」  と、可愛い足音を立てながら、   舌足らずに、 「おねえちゃん。おねえちゃん」  と、あたしの後ばかりついてきていたヒロが昔のことに思えるくらい。      今では、 「おにいちゃ~ん」  公園に来るとすぐにその子のそばにいってしまう。  なんだかちょっと、最近はさみしい気分。  今日は、公園に友達もいないし。  そうだ! 「アイスごちそうしてあげよう」  と、私は思いついた。  公園のすぐそばにコンビニがあり、購入したものを食べられるテーブルや椅子(いす)が置いてあるコーナーもある。  
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