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「うん。ありがとう、おねえちゃん」
「鉄腕アトム君もいっしょにきなさい。ごちそうしてあげる」
と、あたしは「お面の子」も誘った。
「あ!いいね」
ヒロの顔がかがやいた。
お面の子の方を向いて、笑いかけた。
「ねえ、おにいちゃんも、いっしょにアイス食べよう!」
「お面の子」は、そのヒロの誘いにも何も応じる様子は、なかった。
少しだけ静かな気づまりな時間が流れた。
「遠慮(えんりょ)しないでいいのよ」
あたしは出来る限り、親しみをこめて言った。
「いつもヒロと仲良くしてくれているんだし」
あたしは一歩、少年の方へ踏み出した。
少年の影の中に、あたしの足がはいった。
その瞬間に、「ひんやり」した冷気のようなものが、あたしの体の中に広がっていった。
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