第二章  庭先の影

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第二章  庭先の影

 みどり公園に、「お面の子」をみかけなくなった。      いや。。。  本当にまったく現れなくなってしまった。  そうなんだと思う。。。    あの「アイスクリーム」を食べようと「お面の子」を誘って以来、ヒロが公園にいきたがらなくなった。    あたしが、家に帰ってくると、家の中で、「積み木」をつかってつまらなそうに、遊んでいることが多くなった。      あたしは気になって、ときどき、公園に見にいった。  けれど、ヒロを「待っている」ようにして、公園でいつも見かけた「お面の子」の姿はなかった。  クラブに属していない、あたしと同じ、いわゆる「帰宅部」の「モッちゃん」や「トシヤくん」に訊(き)いてみた。「モッちゃん」や「トシヤくん」は毎日のように公園で遊んでいる。  でも、やっぱり「古い鉄腕アトムのお面を」かぶった子の姿は見ていない、というのだ。  梅雨の晴れ間。  そんな言葉がふさわしい青空の日、学校から家に帰ってみると、珍しく、家の中にヒロがいなかった。  和室に、積み木が、ボックスから出され散乱していた。 「まったく、ヒロ、自分でかたずけなさいよ」  と、思いながら、庭の方を見たら。  濡れ縁越しに「植え込」に半分隠された、しゃがんでいるヒロの背中だけが見えた。
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