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「別れよう」
たった一言なのに声が掠れたのが自分でもわかった。
「う、そ、でしょ?なんで?私のこともう好きじゃないの?」
彼女の瞳が揺れていた。
目を閉じて、眩暈を殺した。
浮かんだのは彼女の笑顔や照れたときの表情。
辛いときにいつも傍にいてくれた優しい温もり。
好きに決まってる。
人をここまで愛したのは初めてだった。
初めて、自分よりも大切な存在が出来たと思った。
だけど、いや、だからこそ彼女を危険な目に遭わせたくなかった。
今ならまだ間に合うから…。
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