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それからは会話をせずにナビをして、何とか一件目の家へとたどり着いた。
家の前でトラックを止めて、僕が先に降りインターホンを押した。
すると、しばらく経ってから所有者と思われる四十代ぐらいの女性が出てきた。
「えーっと、昨日お電話させて頂きました。ゴミ回収業者の者ですが……」
「あら、早い到着ですね。昼頃来るのかと思ってましたわ」
ゴミはできるだけ早く処分しなくてはいけない。だからこんな朝早くからトラックを走らせたのだ。
「それで、ゴミはどちらに?」
「あらあら、ちょっと待ってくださいね。今持ってきますから……」
そう言って女性は玄関の扉を閉めようとしたが、運転席に座る先輩が、その行為を遮るかのように叫んだ。
「扉を閉めさせちゃダメだ!」
僕はその声に反応して、扉が閉まる前に足を中へ入れ、閉まるのを防いだ。
すると、女性は二階に向かって叫ぶ。
「マナブちゃん逃げて!回収業者が来たから逃げて!」
すると、二階からゴミが下りてきて、裏口に向かった。
昨日は快く回収を承諾していたのに、気でも変わったのか?
「先輩!ゴミが逃げます!裏口に!先輩!」
そう叫ぶと、先輩はトラックから降りて裏口へ回り込み、ゴミを捕まえた。
「いやだぁ!やめて!処分されたくない!」
ゴミは叫ぶが、先輩がポケットから麻酔銃を取り出しゴミに発射すると、所有者の女性は悲鳴をあげ、暴れ出した。
「やめてぇ!マナブちゃんを殺さないでぇ!」
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