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イリカに冗談を見抜かれた後、女を運び始めた。
「何でお姫様だっこしないんですか?」
「まだ言ってんのか。普通はしないんだよ」
「してもいいじゃないですか」
「断固拒否する」
ライは頑なにお姫様だっこを断った。恥ずかしいのもあるが、一番の原因は女の体にあった。
お姫様だっこをすると、おんぶよりも相手の体を見ることになる。
その女はライの考える理想の生足だったのだ。スラッと長く肌は白。筋肉がついているもののプニプニと柔らかい。
生足フェチのライにとってその足を見ながら歩くことは拷問に近かった。
「どこの人なんでしょうね?あんなに返り血浴びて」
「………」
大体の予想はつく。イリカと違いライはさっきの男達を見ているからだ。
イリカに隠し事をするには黙るのが一番だ。わざわざ心配させる必要はない。
「この先のイセンの人でしょうか?それとも私達と同じ旅の人?」
「……わからん。どっちにしろ放っておくわけにもいかねーだろ」
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