冬眠の町

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理由はチフユとの最初の邂逅。記憶の無かったライはチフユに名前を聞いた。 するとチフユは答えた。チフユ・サンダーバードと。 サンダーバードという姓はイリカがライの名前をもじって作った姓。 この世のどこを探してもそんな名前を名乗るのは四人だけ。 ライヤー。イリカ。ミナツ。アキラ。この四人以外には存在しないはず。 それなのにも関わらず、チフユはサンダーバードを名乗った。 これはチフユがミナツの記憶を共有しているというのが一番しっくりくる。 チフユはミナツの記憶を知っているのに、その逆は知らない。 これは主人格が今でもチフユであることの証明である。 今はまだミナツに主導権があるがこれがチフユに渡ってしまったらどうなるのか。 ミナツは元々チフユを補完する為に生まれた存在である。チフユが復活すればその役目は果たされたことになる。 つまりは、不要な存在になるのだ。そんな時、主人格たるチフユの判断は決まっている。 『チフユが完全に目覚めた時、ミナツは死ぬ』 その事実が、ライに深く重くのしかかるのだった。
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