隠れ家の町

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二人を抱えて飛ぶのは初めてだったが安定してくれた。 イセンの町が見えると、外れに着地する。飛んで入るのは目立つ。 再び女をおんぶし、町に入ろうとした。 「兄ちゃん、待ちな」 入り口で数人の男に呼び止められた。ニヤニヤとこちらを見ている。 「何か用か?」 「その二人、オレ達に渡してくれねーか?」 「…一応、聞く。何のためだ?」 「売るためさ。女は美しく若いほど高値で取引されるからな」 人売屋だった。話には聞いていたがこんなに堂々といるとは思わなかった。 「オレのメリットは?」 「そうだな、ここで痛い目にあわないってくらいか?」 男は拳銃を向けた。ライは面倒くさくなり向けられた瞬間、それを蹴りあげた。拳銃が空中に舞う。 「わざわざ政府を呼ぶのも面倒くせぇ。ここで始末してやろうか」 「死にてぇらしい」 男達が剣を抜く。囲まれて逃げ場が無くなった。 「イリカ、伏せてろ」 「はい!」 イリカは言われたとおりにする。さて、今は両手が塞がっている。大口を叩いてみたものの、守りながらこの人数相手に戦えるか。
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