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回想
「エル!スカージャック先輩が何に出場するか知ってる?」
「知らないわよ。兄さんのことだから簡単な競技にしてるんじゃない?」
「うーん、じゃあたま入れとかかな?エルは何にしたの?」
「騎馬戦よ。チャーチルと違って兄さんがまず選びそうにないところを選んだわ」
「相変わらず素直じゃないね、エルは」
「何か言った、リリィ?」
「なーんにもー?」
回想終了
いくらエルが聡明だといえど今回のライの行動は読みきれなかった。まさに裏をかかれていた。
「試合開始まであと一分です」
拡声の魔法でアナウンスが響く。
「仕方ないな。はやく乗れ」
「背に腹は変えられないってこういうことを言うのね」
ライはエルを肩車した。
(うわっ、懐かしいな……)
小学校の頃、よくねだってやってもらったことを思い出していた。その頃と比べれば明らかに視点が高くなっているが。
「試合を開始します。各ペアは怪我のないよう頑張ってください」
魔法大会騎馬戦、開幕。
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