ハ・ジ・マ・リ

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女をたくさん知ってる皇にとって、その唇で酔わせるなんて容易い事で… 「運転手さんに見られてるけど、サービス?」 容赦のない、卑しめの言葉でさえ…虚ろで。 「…皇……やめ……」 その、口づけも。 髪を撫でる仕草も。 私を包む温もりも… 誰に見られていても構わない。 「…ちゃ…ヤダ…」 kissとkissの狭間で言葉を吐き出した隙に、不自然に引き離される熱を帯びたカラダ。 言うならば、魅惑の唇が欲しくても、背伸びをしないと届かない様な距離感。 無造作に、無意識に、乱暴に… スーツの襟に両手を伸ばす。 「残念だね、莉緒?」 覗き込ませた皇の顔には悪戯な笑みが語った。 「欲しくてたまならい?」 そのセリフに正気に戻ったせい? 「莉緒の肌、熱いよ?」 暑くて、熱くて、たまらないのは…?
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