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頬の熱を撫でながらのセリフに思わず顔を背け、目に飛び込んだのは新宿のビル街。
タクシーが停車した先には、ホテルマンらしき男が出迎える。
「ほら、降りるよ?。」
背けた顔を強引に振り向かされ…
―――深い、深い口づけ。
軽く閉じたまつ毛にビル街のネオンが映り、輝かしく見えた。
再び酔わされる頃、腕を引かれる。
「いつまでねだるの?着いたよ。」
皇にしがみつくようにしてタクシーを降りる。
「運転手さん、ごめーんね?お釣りいらないから。」
そう手渡したお札は暗くてよく見えないけど、千円札じゃないのは確かだった。
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