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"カチャッ…"
ビデオをゆっくりとデッキに入れ、再生ボタンを押すと、古ぼけた画像がテレビに映し出された。
ビデオはゆっくりと時を刻み、有名な曲と共に、俳優が雨の中で華麗にステップを踏むシーンが、画面に現れた。
『………うわぁ…』
どちらともなく感嘆の声を上げ、ビデオにのめり込んでたっけ。
ビデオが終わって、俺は愛里姉ちゃんに話しかけた。
「良かったよね!!この映画!!…やっぱり洋画って凄いよな!!」
興奮しながら話す俺に、愛里姉ちゃんはクスクスと笑いながら、
「賭けはあたしの勝ちね♪…でも感動しちゃった♪やっぱり名画だったからかな?」
と小首を傾げた。
「それもあるだろうけど、あの雨の中のシーンは一度見たら忘れらんないよ!!」
「あのシーンはあの曲も良いから引き立ってるんじゃない?」
「それって簡単に言えば、ご飯と…のりたまみたいな感じって事?」
「何か違う…ι」
そう言って笑う愛里姉ちゃんの顔は、映画に出て来た女優のように輝いて見えた。
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