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黒いズボンを履いて紫のTシャツの上から白衣を纏ったその少年は、慣れた手付きで一軒家のとある窓の下にフック付ロープを引っ掻けた。
次いで足元にあったバケツを逆さにして踏み場を作り、ロープを使い、窓の中を覗き込んだ。
中は湯気で曇っていて、水音が聞こえてくる。
そう、シャワールームだ。
そこの人影を黙認すると、
少年はポケットからサイレンサー付コンパクトデジタルカメラを取り出し、人影に向けて、こう呟いた。
「…よし、今日も同じ男とは思えんほどかわいいぞレッ……」
そこまで呟いた瞬間
湯気の向こうからセッケンが飛来、少年の眉間にヒット。
少年は倒れ込んだ。
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