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テストにむけて、放課後の日課となった勉強会。
運命のテストまであと数日。
この日課に休みはない。
「佑吏~。
英語の課題提出をすっかり忘れててさ、これからダッシュで行ってくる!
先に学習室まで行ってね!」
「ああ、また後でな。」
慌てて佑吏にそう伝えると、梨恩は教室を飛び出した。
レポートの提出期限オーバーで、追加課題など出されてはたまったものじゃない。
佑吏を振り返ることもなく、一目散に駆けて行く梨恩。
「待ってるからな…。」
廊下の曲がり角を通過し姿の見えなくなった梨恩に向かって、佑吏は愛おしむように呟いた。
一足先に勉強会の会場である学習室に向かおうとした佑吏。
しかしその足は、すぐに止められることになる。
「あのっ、蘇芳君!」
鞄を片手に歩き始めた佑吏を引き止める声があった。
振り返るとそこには、同じクラスの女子で、会話をした記憶さえないような生徒が立っている。
「何?」
ぶっきらぼうに答える佑吏。
一方の女子生徒は顔を真っ赤にして、どう見ても緊張を表にしていた。
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