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「雨が降ってきたから、今日の練習はここまでだ!」
跡部先輩の声が聞こえ、鉛色の空に向けられているラケットは雨水で濡れたテニスコートの地面へと向けられた
俺の心を示すのかと俺はその鉛色の空を見上げた
「あ…教室に傘を置いてたんだ」
俺は教室へと向かった
三年生の教室の通り廊下を一人歩いていたら、二人の男女の声が聞こえた
「宍戸先輩と…」
いつも聞き慣れている愛しの貴女の声がした
俺はその場にただ立ち尽くしていた
「宍戸先輩、長太郎から先輩は付き合っている方いないと聞きました!
私…宍戸先輩のことが…...」
俺は傘を取りに行かず、
ただただ大雨の中走り続けた
…君はやっぱり宍戸さんのことが大好きなんだね
..あんな表情、俺には一回も見せてくれなかった
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