†第一章 振り撒かれる病

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部屋のタンスに歩いていくコーク。 彼の今の格好は、パンツ一丁である。 「これにするか」 コークは上下セットらしい、黒い服を着ると、タンスを閉めた。 「隣の家のロッヅが、急に熱を出したんだ。親は医者に掛かる金がねぇってロッヅを寝かし付けてる」 ゴミだらけの路地を、二人は歩く。 道端で座り込む乞食が、ねとついた目で二人を見た。 「それはただの風邪じゃないのか?」 「俺も最初はそう思ったんだがな。どうも様子を見ると違和感があったんだよ」 路地を抜け、すこし大きめの道に出る。 ガリガリに痩せてボロボロの布切れを付けた子供たちが、棒切れでちゃんバラごっこをしている。
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