†第一章 振り撒かれる病

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道の端では、濃い化粧をした娼婦が、煙草を吹かしてあられもない格好で壁に寄り掛かっている。 「ここだよ」 フォルニカが立ち止まった。 「おーい。フォルニカだけど。錬金術師連れてきたよー」 すると、家の中からドタドタと慌ただしく歩く音が聞こえてくる。 「連れてきてくれたかい!!」 そして扉を開いて、中年の女性が現われた。 「おう!こいつだよ!」 「どうも」 フォルニカに指差され、コークは女性に頭を下げる。 「よく来てくれたよ!さぁさぁ入っておくれ!」 女性はまた慌ただしく家の中に戻っていった。
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