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オルトロスの人差し指から、眩い光を伴って赤い電光が迸る。
それは空気を切り裂き、我さきにと逃げ出した黒づくめの頭を、後頭部から粉々に粉砕した。
衝撃で吹き飛ばされた体が、地面に激しく叩きつけられ二回ほどバウンドして、血を撒き散らしながら痙攣を起こす。もはや頭部がないはずのその体は、でたらめに四肢を動かし、時期に止まった。
他の黒づくめたちは、自分たちの目の前で起きた仲間を襲った惨劇に、固まってしまう。
その背後に、ゆっくりと近付くオルトロス。
自分たちの周りが暗くなったことでようやっとその接近に気づいた黒づくめたちが振り返った時には、次々に放たれた電光によって一人残らず既に頭が無くなっていた。
その様子を、青年は顔色一つ変えず見ていた。
黒づくめ全員を殺し終えたオルトロスが、瞳を閉じて影に沈んでいく。
(最近多いなぁ)
青年は一つため息を吐くと、その場から立ち去っていった。
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