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その部屋の左端にあるベッドが、盛り上がっている。どうやら誰かが寝ているようだ。それを確認した少女は、鼻息荒くそこに真っすぐ歩み寄ると、
「起きろっつってんだろぉぉ!!」
「どわぁ!!」
真っ白いシーツを掴み、怒声と共に一気に引っ張った。
寝ていた人が、動くシーツに巻き込まれ悲鳴を上げながらベッドから落ちる。
その拍子に頭を床に強かに打ち付けていた。
「いつまで寝てんだよ!!もう昼だぞ!!」
頭を押さえ悶絶している男に、少女は指を突き付け怒鳴り散らした。
「っ~~……。……フォルニカ。起こす時はもう少し優しくしてくれ」
頭を撫でながら顔を上げる。
青年だ。歳は十代後半だろうか。顔立ちは端正で整っている。
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