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【脇巫女vision】
霊夢
「遅い」
どれほどの時間が経っただろうか。 約束の時間を過ぎても尚、魔理沙は一向に姿を見せない。
隣で足をじたばたさせ「お酒お酒ー!」と騒ぐ萃香にはぁ…と溜め息をこぼす。
霊夢
「仕方ないわね……萃香、宴会の準備するからお酒を持っt…『おー、任せよー!』
霊夢が言い終わる前に'お酒,というキーワードに反応した萃香は右手を上に掲げ神社の中に走っていった。
霊夢
「ったく、お酒と聞くといつもこれなんだから。 さて、私も準備準備……」
飲みかけの湯のみを置き、背伸びをし蔵に向かう。
錆びついた鍵を開け、久しぶりに外の空気を吸った蔵の中は埃という埃が積もっていた。
たまには掃除しないとね…っと呟きながら使える物がないか探すが、きっと蔵が綺麗になる日は来ないだろう…
霊夢
「結局見つかったのはお酒だけ……ま、いっか」
酒の入った一升瓶を持ち、蔵から出た霊夢は目の前に人がいるのに気付いた。
箒を持っていることから魔理沙かと思い声をかけようと近づいたが……
霊夢
「ちょっと魔理沙。 いくらなんでも遅ーーー」
魔理沙らしき人物に話しかけた霊夢は呆然とする。
目の前にいた人物は金髪オールバックに黒い眼鏡らしき物を身につけた背の高い男だった。
あまりのでかさに目を丸くするが、彼の持つ箒を見た霊夢に電撃が走った
彼女の長年の付き合いで見慣れた魔理沙の箒には赤い液体が滴り落ちていた。
なかなか時間が経っているのにも関わらず現れない魔理沙。
今までに宴会の日で遅刻した事がない魔理沙。
彼の持つ、魔理沙の箒がその疑問を全て解決してしまった…
こいつが……魔理沙、を?
今までの彼女との思い出が走馬灯のように頭に流れていく
気付いた時、霊夢は懐に入れていた御札を彼目掛けて投げつけた。
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