トミーは大変な場所に落ちてしまいました

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数秒。 一瞬の出来事の筈。 あまりにも、これほど永く感じる事があるだろうか 土下座をしたトミーだが、何の反応も感じない。 おかしい… 何かが、おかしい。 トミーは不思議に思い、そっと顔を上げた。 トミー 「えっ」 最初の一言がソレだった。 今までトミーは幾度となく土下座を魅せてきた。 大抵の相手は怯む。 '土下座,という日常ではありえない行動にパニックになるのだ。 だが、目の前の少女はどうだろうか? 目を固く瞑り、腕を顔の前に出し自身を守るようにしている。 確かに怯んでいる。 だがこれは、絶大な恐怖に襲われ諦める覚悟を決めた態度である。 やはり、おかしい…。 明らか、少女は'こちら側,ではない 寧ろ逆。 '許す側 ,である。 さすがの少女も気付いたか、目を開ける。 そして、トミーと目が合った。 霊夢 「アンタは……」 少女の顔が絶望から怒りへと変貌する。 そしてトミーの本能が伝える……『ヤバい』と 霊夢 「どこまで人を虚仮にすれば気が済むのよっ!!!」 直感的に危険を察知したトミーは少女から逃げるように走り出す。 もちろん、後ろからは弾幕が飛び交う。 少女から逃げながらトミーは実感する。 土下座が通用しないーーーーっ!? 彼、トミー・グフラソス・ソミスにとっての『土下座』とは美である。 彼の掲げる理想とは、如何に美しく相手に謝罪の意を伝えるかにあるのだ。 彼が先程使用した業は幾多の者達を魅了した。 トミー (今のままじゃ、効かない…。 このままでは) 走り続けるトミーだが、弾幕の量は増えさらには密度も増してきた。 マズいと判断したトミーは金色に輝く建物の中に入り、素早く扉を閉めテーブルや家具などでバリケードを作り一息ついた。 だがそれも束の間、扉は無残にも少女によって破壊されてしまった。 トミーは怯えるように部屋の奥にある机の下に隠れた。
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