ショウタイ

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 本来、俺という男は毎日が日曜日の様な生活をしている。  ミスターオールサンデーだ。  それなのに、何でこうなる。  元々、市原が悪いに違いない。今思えば話を持ってきたのも市原だ。  前日に連絡を入れる時点でこの男は常識が欠けている。 ―――――――――――――  九条を助けて一週間ほど経った頃。  煙草を吹かしながらコタツでテレビを見ていると携帯が市原からの着信をバイブで知らせた。  二十三時五十五分。  この時間帯は依頼が多い為何となく気後れしながら、電話に出る。  いつもの様に無視すればよかったと後悔するのはもう少し後になってからだ。 「おい平次、お前明日暇か?」  電話口から随分沈んだ声が聞こえる。 「時間は?」  夜なら酒の誘いかバイトの依頼かのどちらか。  市原の声のテンション的に夜に愚痴に付き合わされる感じだ。  それなら、タダ酒にあり付けるので俺としては全く問題無い。 「午前十一時」 「いや、まあ時間ならあるけど……」  ランチのお誘い? 「一日中か?」  その質問のおかしさを訝しみながら、まあ、と返事をすると市原の声は今までと打って変わって晴れやかになった。 「そうかそうか!! いやー良かった。お前、九条の家に招待されてんだ。明日十一時に迎えに行くからスーツ着て待っといてくれ」 「九条!? 招待!? 馬鹿言え!! 行きたくねえよ!!」  用件は何となく思い浮かぶ。  とはいえ九条ヒトミに個人的に会うならともかく、娘が関わると人格的に問題が発生すると噂の親父が居座る”家”に何て行きたいはずも無い。 「悪いな、断ろうにも例の件の翌日からお礼にお前を家に呼びたいって言われてな二つ返事で了解してたんだよ」 「馬鹿言え、何で断らなかったんだ。しかも一週間も前の話を今頃……!!」 「悪い悪い。九条の件で関係者相手に事後処理してたからつい適当にな」  じゃあそういう事だから、 と電話は一方的に切られた。 ―――――――――――――
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