過去と現在

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突然のことで、しかも仕事だから仕方がないと思うが、差悟もよく平気な顔でいられるなって思ってしまった。 悟にしたらフッた方…… 言い方を悪くすれば捨てた過去の女だから未練も何もないからなのかもしれない。 やっぱり、いくら未練はなくても振られた方にしたらキツいものがあるなと思った。 考えれば考えるほど過去へ引きずり込まれ、気持ちが落ちてゆくのが分かる。 それが嫌で私は深く息を吐き、気持ちを切り替え仕事を再開しようとした矢先に 「あれ!?」 隣で志帆が変な声を上げ、私の手を止める。 「何?三上さんばかり気にしないで早くこの仕事片付けないと」 忘れよう忘れようとしている私を邪魔するように悟ばかりを見る志帆に一括入れる。 「え、だって咲穂さんは三上さんが結婚してるって言ってたけど指輪してないんですもん」 人の話なんて全く気にすることなく志帆は悟の方に視線を向けたまま私に話し出す。 .
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