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ポツリと呟く“兄”に、少女は笑う。
「私達は他の誰でもない、鳴架自身。
例え私達がいつか消えても兄様の妹であることに変わりはありませんわ」
「さぁ、もう眠りなさい黒百合寝坊なんてしたら、誓梛ちゃんが心配しますよ」
「はい、兄様」
再び部屋に戻っていく“妹”を見送る。
パタリと扉が閉まるのを確認すると、藍斗は思わず息を吐く。
「鳴架、貴女を囚(トラ)える闇はまだ晴れませんか…?」
小さな呟きは誰にも聞かれることはなく暗い闇夜に消えた。
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