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「さっきの人はハンドル回してたよ❗」
ユイの一言から、ようやく玉が打ち出され……
弧を描いて盤面反対側を通り、下の穴に消えていった。
「……強過ぎたんじゃないか?」
今度は弱々しく打ち出された玉が、盤面に出現する事無く戻り、下皿に吐き出された。
「弱過ぎたね~」
「む、難しいな」
何度か失敗を繰り返すと、ようやく盤面に玉が踊り出した。
そして、ようやくやっとついに、チャッカーに玉が飛び込んだ。
「わ、動いた❗」
「この穴に入ると、動くんだ……」
『リーチ❗』
「あ、リーチだって❗当たるかな」
何事もなく、再始動。
「ハズレ?」
「みたいね~」
やがて。
次第にコツが掴めてきたリツ、保留などお構いなしにガンガン回すが、なかなか当たらない。
ただ、玉の追加はムギが頃合いよくボタンを押している為、全然無くならない。
「……飽きた」
リツ、ついに席を立つ。
脇で見ていたはずのユイは、ホールの宣伝用モニターを見に行っていた。
「じゃあ、わたしがやってみていい?」
ムギがリツに提案すると、
「おお、ムギ頑張れ❗」
と、リツは応援に回る。
選手交代。ムギ、人生初のパチンコ。
その1投目。
『リーチ❗』
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