花びらが散った日

2/2
前へ
/2ページ
次へ
  あーあ‥ わかってたんだ。 返事なんて。 勇気振り絞って。 震える声で伝えたのに‥ 『ごめんなさい』 あっさり言われたこの一言で。 ボクの夢は終わった。 心の中で。 パリン‥って何かが 砕ける音がした。 花びらが‥散った。 何やってんだろ、ボク‥ 梅雨が明けて夏の陽射しが 目に突き刺さる様になった頃。 太陽に負けない程の輝きを放つ キミに出逢った。 眩しすぎて。 目を逸らして。 だけど、キミの仕草や行動に いちいち反応して。 身体中が心臓になったみたいに バクバク言ってて。 きっと、太陽がなかったら 不自然に火照った顔に 気付かれてたと思う。 それくらい歯止めが きかなかったから。 夏の陽気に 惑わされたから‥ もし‥ 出逢ったのが 冬だったら。 惑わされなかったのかな‥ あぁ、でも。 キミ自身が 夏の太陽だから。 いつ出逢っても。 キミに惑わされてたかもね‥ あんまり自分から 気持ちは伝えないけど。 伝えてふられるのも わかってたけど。 でも、伝えたかった。 いてもたってもいられなくて。 ふられてもいい。 ただ、ボクの気持ちを 知ってほしいだけだった‥ 予想通り、かな。 ばっさりふられたし。 めちゃくちゃ勇気 ふりしぼって。 恥も、プライドも捨てて 伝えたのにな‥ 卑怯だよ。 ボクが大好きな いつもの笑顔で。 眩くて、優しい その笑顔で。 断らないでよ‥ ズルイよ‥ 諦められないじゃん。 悲しくて、惨めで。 涙があふれてきて。 けど、悔しいから。 絶対涙なんて見せないんだって 心に決めて。 けどさ‥ やっぱ諦めるなんて 無理で。 涙だって とまらなくて。 ショックなのか、 悔しいのか。 もう何もわからなくて。 まだボクの中では キミが笑ってる。 いつもの笑顔で。 ボクの‥ 大好きな笑顔で。 やっぱり‥ 諦めきれないよ。 どうしよう。 どうすればいいかな‥ どうしたらキミは。 ボクに振り向いてくれる‥?  
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加