第三章  同病棟

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第三章  同病棟

 病院の「朝」は、早くから動きが始まります。  ぼくは5時に、また起こされて採血。  6時半に、定時のバイタル検査。  本来8時に「朝食」ですが、ぼくは、まだ食べられる状態ではないので、廊下側(ナースセンター側)のカーテンを少し開けて、横になっていました。    隣のベッド・スペースのカーテンが開いて、例の「中年女性」が出てきました。  目が合いました。 「いやだな」  と、思ったのですが、「謝るのが勝ち」。 「おはようございます。昨日は失礼しました」  と、声をかけました。    女性は「キョトン」としたような顔で、会釈をして、再び自分の「ベッド・スペース」に戻ってしまいました。      ぼくは「拍子抜け」した気分になりましたが、 「『おおごと』にはならずに済んだ」  ようなので、少し「ほっ」としました。    午前中には新館C病棟2階、主治医の先生も「決定」して、看護師さんに手伝ってもらい、病棟を移りました。
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