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トラブルが起きたのは、その「部屋」で、でした。
ぼくの方のベッド・スペースに女性用のバッグが落ちているのを、見つけたんです。
それでお隣さんに、
「バッグ落ちてます」
と、声をかけたんですが、返事がありません。。。
よせばよかったんですが・・・
ナース・コールすればよかったんですが。
何しろ、「この病棟」のナースは「飛び回って」いるので。。。少し遠慮もあって。。。
実は、そのときぼくは、点滴と「痛み止め」のおかげで、ちょっと元気を取り戻していました。
病院に入院されたことのある方は、分かると思いますが・・・
カーテンで仕切られた、ベッド・ルームは狭いので、お隣のテーブルが、こっちへ少し「出っ張ってる」ことがあります。
で、ぼくはバッグを「拾い上げて」、ちょっとだけカーテンを開け、バックを「お隣」のテーブルの上に置いたんです・・・
すると。
カーテンが「突然」シャーっと「音」をたてて開けられました。
髪を赤く染め、スパンコールの付いた派手なワン・ピースを着た中年の女性が顔を出して、
「ありがとう」
と、「ろれつ」の回らぬ声で、言ったのです。
ひどく「目」が「とろ~ん」としているのが、印象に残りました。
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