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その「夜」は、ひどく騒がしくて、大変でした。
いや・・・
これは「経験済み」なんです。
何度も入院を経験していますから。
ひっきりなしに鳴る、人工呼吸器の「警戒音」
「用もないのに(おそらくは)ナースコールし続ける患者」
「大きな声で、病院に悪態をつき続ける患者」
「患者を叱りつけるナースの声」
「『しっかり自分で呼吸して!』『目を開けてください!』『××さん。立てる?立てなきゃ、尿瓶 (しびん)持ってこようか?』」
「助けてくださ~い。看護婦さ~ん」
「医者を呼べよ。医者を~」
「痛いよ~。痛いよ~」
まあ、賑やかです。
その上、お隣の「中年女性」は、ぼくがバッグを返した直後から、
「目を覚ました」
のか、
「寝ごと」
なのか、すごく大きな声で「ひとり言」をはじめたのです。
いや、「会話」のようでした・・・
意味は、よくとれませんでしたが、「声色(こわいろ)」を使っているのか、まるで「二人の人間」がいて、「言い争い」をしているように、聴こえました。
まあ・・・
「そういう自分も」
「急性膵炎(スイエン)」で入院した時は、ひと晩中「痛み止めくださ~い」と叫んでましたが。。。
やっと、明け方近くに「うとうと」となったところを、
「申し訳ありませんが、ちょっと目をさましていただけませんか?」
と、ナースに起こされました。
「お立ちになれますか?」
と、ナースが恐縮したように言いました。
「え、ええ?」
ぼくは、ナースの渡してくれた、「マスク」をして、要領を得ないまま、「ふらふら」しながら立ち上がりました。
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