猫々パニック

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しばらくして雨が降ってこなくなった。今は涼しい季節だ、涼しい季節になるとこういう降ってはすぐ止む雨が多くなるらしい。 私は相変わらずダンボール箱の中で座って、行き交う人々を眺めていた。 黒く染まった毛並みの中に浮かんだ、満月のような金色の瞳で外を眺めてみる。 まぁ猫に「ヒマ」なんていう概念はないからな、別に一日中だってゴロゴロしてられるさ。 ピヨピヨ……チチチチチ……ブウゥーン!!…… ……。 あ~ヒマだ。何か楽しいことないかな? そう思って胴体を横にごろ~んと倒した頃、黄色い帽子を被った小さな人間が数人、こちらに走り寄ってきた。 「あ~!!見て!!猫!!猫!!」 「本当だ!!おい猫!!起きろ猫!!」 やんちゃな女の子達だ。ところで、お前は友達の事を「おい人間」と呼ぶのか?ん? 私が黙って寝転がっていると、女の子達はダンボールの中に手を突っ込んで私の黒い体を撫で回してくる。 ハハハッ……うっとおしい。 「可愛い子猫だね~!!」 「誰か貰ってあげなよ!!」 さっき私の事を学名で呼んでくれやがった女の子が、数人の友達を見渡して言った。
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