猫々パニック

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「……うち、アパートだから」 それは呪いの言葉か何かか? 「うちも親が厳しくて……」 猫を見たらそう言うように教えられているのだろうか。 「そっか~じゃあ仕方ないね!!」 諦めるの早いな、おい。 諦めたらそこで試合終了ですよ。 「これ食べて元気出して!!じゃあね~猫ちゃん!!」 抱き上げられて、ムリュンムリュンに撫で回されたあげく箱に戻された。 その後に箱の中に置かれたそれは、可愛い包装がされたチョコレート。 待て待て待て、せめてこの包装を解いてから行ってくれ。いやそれ以前に猫にチョコなんか食べさせるつもりか?どうせ食えないから包装されたままでむしろ良かったわ。 ……おや?なんだか女子高生っぽい女の子が小学生みたいな笑顔で近寄って来たぞ。 その子の名前は知ってる。前に自己紹介されたんだ、確か「みずき」。 みずきはキョロキョロと辺りを見渡してから、浅くため息をついて私の目の前に腰を下ろした。 はにかんだ笑顔にくりくりとした大きな瞳を携えて見つめてくる。サラサラとした黒髪が鼻に当たってこそばゆい。 「アハハ……あの子達が帰るまで隠れてたの!!」 みずきはふやふやと笑った。
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