運命の日

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織田美夕(オダミユウ)はその日もいつも通りの日常を過ごしていた。 いつも通り、自身が通う星条高校の通学路を歩いていた。 その日も、いつも通りの平凡な日常を過ごすことになると、当たり前のように信じていた。 いつも通りの日常の中で、それは突然起こった。 美夕はとある交差点で信号待ちをしていた。 早く変わらないかな……。 中々変わらない信号に少しイライラしながら、信号が変わるのをじっと待っていた。 そんな時、突然、急に背中を押される感覚がして、身体が前に傾いた。 直後、激しい痛みが全身を襲った。 周りの人達の悲鳴がやけに遠くに聞こえる。 美夕の視界には、大量の赤い液体が映っていた。 あれ……は…私の……血………? 薄れていく意識の中、美夕は自分をじっと見ている男に気付いた。 その男は星条高校の制服を着ていた。 男は見たこともない禍禍しい笑顔を浮かべ、美夕を見ている。 「あ……い…つ…が………」 そこで、美夕の意識はぷつりと途切れた。
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