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香織は空を真っ赤に染め上げている夕日を見ながら、考えていた。
犯人を見つけた後、どうやって復讐するかを。
しかし、考えは上手く纏まらない。
早く復讐したいという憎悪と、慎重にしなければならないという冷静さが、心の中でぶつかり合う。
「香織、どうするんだ?
すぐに行動を起こすのか?」
零が追い撃ちを掛けるように問い掛ける。
香織は慎重に考え、そして、1つの答えを出した。
「……まずは、信頼を集めるわ。復讐を必ず成功させるために」
「…了解。主の望むままに」
直後、零は身構えた。
その動きに不審感を抱いた香織は零に問い掛けた。
「どうしたの?」
「……人が近付いて来る」
香織は耳を澄ました。
すると、微かではあるが、確かに近付いてくる誰かの足音が聞こえた。
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