52人が本棚に入れています
本棚に追加
悪魔は冷たい、いかにも悪魔らしい笑みを浮かべながら、美夕に問い掛ける。
「天国に行きたいか?」
美夕は首を横に振った。
「地獄に行きたいか?」
美夕は再び首を横に振った。
「じゃあ、どうしたい?」
悪魔はまるで美夕の心を見透かすように、美夕を見つめる。
「……私は、復讐したい」
悪魔に導かれるように、勝手に口が動いた。
思いを言葉にした直後、憎しみや悲しみが一気に溢れ出してきた。
「私は、私を殺した奴に、復讐してやりたいっ!!」
天使は息を呑んだ。
顔色は青白い。
「あなたはもう死んでいるのですっ!!そんなことは出来ませ――」
「出来る」
焦りを含んだ天使の声を遮り、悪魔が言った。
最初のコメントを投稿しよう!