運命の日

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悪魔は冷たい、いかにも悪魔らしい笑みを浮かべながら、美夕に問い掛ける。 「天国に行きたいか?」 美夕は首を横に振った。 「地獄に行きたいか?」 美夕は再び首を横に振った。 「じゃあ、どうしたい?」 悪魔はまるで美夕の心を見透かすように、美夕を見つめる。 「……私は、復讐したい」 悪魔に導かれるように、勝手に口が動いた。 思いを言葉にした直後、憎しみや悲しみが一気に溢れ出してきた。 「私は、私を殺した奴に、復讐してやりたいっ!!」 天使は息を呑んだ。 顔色は青白い。 「あなたはもう死んでいるのですっ!!そんなことは出来ませ――」 「出来る」 焦りを含んだ天使の声を遮り、悪魔が言った。
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