エピローグ

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────── 1995年8月某日 アストラダ共国 東の都サウストにて 今朝、この都と北の都ロウズとの国境付近の村から強力な魔力を感知した。 すぐに我が隊のものといっしょに村へ駆けつけたが、そこには無惨にも焼け落ちた村と全身に火傷を負い死んでいる村人の死体しかなかった。 見るも無惨な光景に一瞬言葉を失ったが、すぐに生存者がいないか村をくまなく探した。 だが、いくら探しても生きているものの気配すらない。全員があきらめかけたとき、私の耳に赤ん坊の泣き声が聞こえた。 泣き声の方に向かってみると、まだ生まれて間もないだろう赤ん坊が毛布にくるまれて泣いていた。 すぐに保護しようと赤ん坊に近寄ったとき、一瞬その赤ん坊の額に今まで見たことがないような赤黒い幾何学的な魔方陣があらわれた気がした。 ────その村に赤ん坊以外の生存者はいなく、我が隊は捜索を断念し、共国軍の2番隊支部がある港町ブルーウェルへ戻った。 支部へ帰ってきてから村の壊滅のことやあの赤ん坊のことについていろいろ調べてはみたが何も分からなかった。 あきらめようと思ったが、やはり気になったのでこれから調べてみることにした。 なぜ村は壊滅状態に陥ったのか。 それをやったのは誰なのだろうか? そしてあの状況から唯一生き残ったあの赤ん坊は一体…… アストラダ共国軍 2番隊隊長 ガンツ・ブラスト
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