漆黒の死神と兄

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ザワ…ザワ… 「なぁ知ってるか? 今年の新入生にあの『漆黒の死神』がいるらしいぜ」 「あぁ知ってるよ。どこのクラスもその話題に持ち切りさ」 「てか何で内の学校なんかに来るんだ? 内は普通の進学校だぞ」 「知らねーよ。まさか内の学校を潰す気なんじゃ…」 「おいおい冗談でも言うなよ。あの残虐な事で有名な『漆黒の死神』だぞ? ありうるぜ」 「マジかよ俺明日から学校休もうかなぁ…」 ……… 充「…はぁ」 まったく、どいつもこいつも朝から同じ話ばっかりしやがって。 な~にが『漆黒の死神』だよ。 充「はぁ~」 「お前今日はやけにため息多いな。どした?」 充「あぁ萩原。いや何、周りのザワつきがうるさくて嫌なだけだよ」 萩原「しょーがねーよ。何てったってあの『漆黒の死神』が内に入学してくるんだぜ? みんな怖いんだよ」 充「知らないよ。てか何さ『漆黒の死神』って?」 萩原「お前あの『漆黒の死神』を知らないのか!? あぁ…まぁ確かにお前は知らなそうだな。ずっとボーっとしてるし」 うるせー。 まぁずっとボーっとしてるのは本当だけどさ。 充「はいはい。で? 何なの『漆黒の死神』って」 萩原「あぁ。俺も直接見たわけじゃないが… 腰まで伸びた黒髪 透き通るような白い肌 その美しい外見には似合わない鋭い目つき 相手が動けなくなるまで暴力を止めない冷酷さ 人々は恐れいつしかその少女はこう呼ばれるようになった…」 充「…それで『漆黒の死神』?」 萩原「イエス」 何でこいつこんなに楽しそうなんだ?
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