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「はい?」
戸惑い気味に返事をする彼女。
見る限り、どうやら俺と同い年くらいだ。
「周りを見回してたから、何か困っているのかと思って声おかけしたんですけど……」
すると、彼女は少し考え込み、意を決したように話し始めた。
「えっと……私、今日ここに越してきたんですけど、その……道に詳しくなくて、家の場所が分からないんです……」
家の場所が分からないとな。
「なるほど……それなら、案内しましょうか?」
「え、いや、でもご迷惑じゃ……」
「大丈夫ですよ。むしろヒマだったんで丁度いいくらいだよ」
思い返すとちょっと図々しかったかなー俺。
あの時はまだ青かったんだな、うん。
「で、でも会ったばかりなのに……」
「いいからいいから。これも何かの縁だと思って頼って。……イヤならいいけど……」
「わ、分かりました!お願いします!なので落ち込まないでください!」
よし、作戦成功。
ってか、いつの間にか砕けて話してる俺……ま、いっか。
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