190人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前、何も無いじゃないか」
「そんな! そうだ、軍人! 先生はそこに軍人が居たのを見ましたよね!」
「軍人だぁ? んなもん見てねぇよ。お前しか居なかっただろ…」
「そんな… じゃあ俺、幽霊でも見たのかな…」
すると先生は何か考えていた。
「軍人ねぇ……」
先生は頭を掻きながら言った。
「もしかしたら、お前が見たのは本当に幽霊かもしれないな…」
「え…どうしてわかるんです?」
この後、俺は先生からとんでもない事を聞いてしまった……
「あのな…この学校が建つ前、この辺りの土地は実は……
『防空壕』だったんだよ。
それでな、丁度ここだ。この砂場の下の所だ… ここがな……
『敵に殺されて死んだ人達を置いておく場所だったらしいぜ』」
それから、俺はその砂場へは近づかないようにしている。
あの軍人は何かを伝えたかったのかもしれない。
でも、俺はこの事を誰にも話さなかった。その方が、あの軍人は喜ぶような気がしてね……
俺は今日もまた部活を夜遅くまでやっている……
そして……
『今日もカラスが三十羽ほど集まって、不気味な鳴き声をグラウンドに響かせていた……』
_
最初のコメントを投稿しよう!