68人が本棚に入れています
本棚に追加
ハルは更にリュックの中からCDをたくさん出してきた。
「二人で聴くの最後になるかもしれないなぁ。」
ふふふ、と朗らかにハルは笑う。
俺のお気に入りの曲が詰まった選曲のCD達はハルが昨夜寝ずに作ったものだと言う。
曲が流れるとリズムをとって一緒に歌ったりしている。
「あ、俺、この曲好き」
ハルが好きという曲は、轟音ギターの美しい旋律が印象的な曲だった。
「歌詞がいい」
「うん」
♪
You seem to come and go;
君は見えたり隠れたりしているみたいだけれど
I never seem to know.
ボクには決して見えそうにない
And all my time
ボクのすべての時間は
is yours as much as mine.
君のものだけど
We never have enough
ボク達にはそれ程充分な
Time to show our love.
愛し合う時間が残されていないんだ
♪
感傷めくのはダイキライなリアリストの俺でも、この曲のナイーブさにはグッとくる。
誰かと愛し合う時間など、生きていても俺にはない。
秘めた心の奥底で求める人間は只一人。
男同士で兄弟で…
最初のコメントを投稿しよう!