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「どう違うの?同じじゃないの?」
ハルが言い返す。
「…忘れてくれ。」
「俺が記憶力いいの知ってるくせに。」
「…」
「俺、忘れろって言ってももう忘れられないよ…」
「…」
「兄やん忘れてるかもしれないけど、前にも言ったんだよ。死ぬほど好きだって。気が狂うほど愛してるって。」
「…」
「兄やん、俺のことどう好きなの?ちゃんと答えてよ。」
「答えたら、お前、もっと忘れられなくなるぞ。」
「忘れられなくてもいいよ。どうせ死ぬかもしれないんだもん。ちゃんと答えて。俺のことどう好きなの?愛してるってどういう意味なの?」
「あー、もう、どう受け取ってもいいよ。」
俺はどうとでも解釈してくれ、とでも言いたげに目を瞑ったまま眉間をしかめた。
最後に二人で過ごす時間かもしれないのになぜ言い合いになるんだろう。
告白を深く後悔しはじめる。
ハルとは喧嘩をしたこともなかったのに!
意見の違いはあれど、ぶつかった時は必ずどちらかが引いていた俺達だった。
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