ラプソディ

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「なぁ、兄やん、明日隕石落ちるんだって。」 弟のハルは朝起きて洗面所であくびをしてのんびりと伸びをしながら独りごちた。 『明日か明後日地球に隕石が落ちる可能性が50%あるらしい』 そんな噂が世界を巡っている。 政府は混乱を抑えるため正式発表はしていない。 詳細なことはわからない。 どこにどれだけ大きな隕石が落ちてどんな被害をこうむるのか。 NASAが必死で動いているらしいが、どの程度の可能性で防げるのだろう。 ネット上では大騒ぎになっている。 数日前まではこれといって日常生活ではなんの支障もなかった。 だが、一週間前頃から人々に焦燥感が生まれ、死ぬ可能性があるならと働くことを止めた人もいて徐々に変化をもたらしはじめた。 テレビの中でも同じことで笑う人も少なくなった。 政治家や著名人の多くも家族や愛する人と最後かもしれない時間を過ごそうとしている。 ライフラインは確立されているが、テレビは映らなくなった。 ラジオは政府の放送のみ。 電車やバスは運行されていないらしい。 たかが50%。 されど50%なんだ。
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