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今、ハルは強い眼力で俺を見つめている。
目を閉じていてもわかる。
「兄やんの愛してるってその程度なの?冗談なの?」
ハルの高めの声がいつもよりワントーン高くなる。
ハルは更に怒り口調になった。
「突然すぎなんだよ。昔から兄やんはいっつも…っ。唐突に突拍子もないこと言い出して俺のこと困らせる…」
…なんでこんな時に喧嘩しなきゃならないんだ?
ハルはゆっくりで回りくどい。自分の思いを慎重に丁寧に話そうとする。
俺は更に面倒くさくなる。
うっすら目を開ける。
寝ぼけ眼の俺の目に飛び込んできたのは
―――ハルの泣き顔だった。
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