ラプソディ

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俺は今の混乱した世界の状況がバカバカしく、醒めた頭で静観している。 人はいつかは死ぬ。 突然の事故で死ぬ事は多い。 明日かもしれないし、明後日かもしれない。 だから今できることを必死で形にして残しているんじゃないか。 仕事は当然のように休みで、ヒマである。 やる事もなく、夜更けから朝方までエンドレスな考え事をしていたら携帯にメールが入った。 ハルからだった。 『どこか連れてって』 同じ家で暮らしているけれど ハルから連絡が入る時はいつもメールだった。 それは既に習慣になっていて、同じ家で声が聞こえる距離でもメールで連絡をしてくる。 ハルは怖いくらいに口数が少ない。 機嫌が良い時は鼻歌をよく歌う。 鼻歌でハルの調子がわかる。 俺はハルの下手な鼻歌が大好きだった。 どんなに緊張している時でもハルの鼻歌を思い出せば自然に解きほぐれた。 怒り心頭の時にもハルの鼻歌を思い出せば、笑みがこぼれた。
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