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両親が死んだ時、俺は社会人一年生。
百貨店に勤めるバイヤーとして奮闘する毎日で家を留守にする日も多かった。
当時中学生のハルは、ひとりで両親の遺体に面会した。
…俺は接待で酒を飲んでいた。
事故を知って慌てて病院にかけつけた俺にハルは泣きもせずに言った。
「お父さんとお母さん、死んじゃったね。」
あの時の自責の念は今も俺を苦しめている。
―――どうして側にいてやれなかったんだ。
きっと、辛いのは俺も同じで、泣けば迷惑をかけるとハルなりに配慮をしているのだろう。
以来、ハルは弱音を吐かなくなった。
俺の前で泣かなくなった。
甘える事もなくなった。
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