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ハルからのメールは俺の返事をまたずに二度来た。
『兄やん、今日はどうせ一人寂しく家にいるんだろ?』
俺がメールの返事を打たずにいると、自室まで直接来た。
ハルが俺の部屋に来る事は滅多にないので驚いた。
ベッドでだらしなく寝転ぶ俺をハルが見下ろした。
「今家にいるってことは、孤独なんだろ?」
「…うっ、痛いとこを突くな、お前…」
「一緒に外に出て気晴らししようよ」
「お前の友達もいるのか?」
俺が問いかけるとハルは笑って首を振った。
「友達はみんな家族とか彼女とか、大事な人と過ごすよ。誘えないよ。」
(お前は、好きな子はいないのか?)という質問を呑み込んで、「それもそうだな」、と納得して、出かける準備をした。
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