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「そっ…か…」
少しだけ、俯いて。
口にしたのは、そんな言葉。
彼女はクールだから…
決して、そんな台詞を言ってくれはしない。
そんなこと、
わかりきっていたはずなのに。
そうそう、現実は甘くない。
やっぱり…そうだよね。
安易に想像出来た未来は、見事に裏切ってくれなくて。
記憶を過るのは、今までの何よりかけがえのない、楽し過ぎた日常で。
僕の恋人の、何気ない表情で。
愛しい君は、もう…
戻ることなんてなくて。
その現実を今更ながらに認識したバカな僕だけがいて…
悲しい
なんかより、
ずっとずっと、寂しくて。
彼女が僕に背を向けて。
終わったんだ…と僕は感じた。
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