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「何、やってんだろ…」
自嘲気味に呟けば、
片手で強く、頬を叩く。
バチンと高い音が響いて、
同時に伝わる鈍い痛み。
「…ッ…行こう…!」
気合いを入れ直すように呟けば、僕は迷わず走りだす。
僕が落ち込んでどうする…
自分から振った。
これは自業自得なんだ。
彼女の方が
ずっとずっと、悔しいはずだ。
…僕なら。
否、僕だから。
彼女の気持ちはわかる。
今更だけど。
今更だから。
尚更僕は…
図々しいけれど、もう一度。
告げる言葉があるはずだから。
もう、遅いのはわかるけど。
走りだす位、許してください。
僕は君が…
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