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気分を紛らわせようと、
働く脳は素直だと思う。
日頃なら、
風景なんて見ないくせに。
視線は辺りの寂れた風景へ。
明らかに動揺しているのが分かるから何だか嫌だ。
誰も居ない並木道。
季節のせいか、何なのか。
枯れ木だらけで寂しくて。
花咲くような木はなくて。
「…寂しいじゃない」
そう呟いた、私の脳裏を過るのは最後の彼の表情。
彼に背を向けたあの時、
最後に聞こえた声は何だっただろう?
聞き取れなかった言葉は。
別れて初めて聞いた彼の声は。
「――――。」
わからない。
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